paroles de chanson 歌舞伎町の女王 -2011.12.20.中野サンプラザver.- - Shoko Nakagawa
蝉の声を聞く度に
目に浮かぶ九十九里浜
皺々の祖母の手を離れ
独りで訪れた歓楽街
ママは此処の女王様
生き写しの様なあたし
誰しもが手を伸べて
子供ながらに魅せられた歓楽街
十五になったあたしを
置いて女王は消えた
毎週金曜日に来ていた
男と暮らすのだろう
誰に誘われるでもなく
辿り着いたのこの街
育ってないのに懐かしいの
記憶よりも胸焦がすコロニー
覚えているのは香水のかおり
残り香を吸って育った過去に
サヨナラを言えずに彷徨うひとり
真っ赤な口紅
ぎこちなく
みえてた唇
非行に走る
望んでなんかない顔はママの痕
所詮はあたしも快楽主義
改札過ぎたら待っていた
この街が
「一度栄えし者でも必ずや衰えゆく」
その意味を知る時を迎え
足を踏み入れたは歓楽街
消えて行った女を
憎めど夏は今
女王と云う肩書きを
誇らしげに揚げる
ネオンと街灯
朧気な光
あたし以外大人しか居ない
切っても切れぬ血を辿って来たり
生臭い雄と雌のかおりが
今日もこの街を動かす
明日も知らなかった少女も今
女王となり
いとをかし
求められる悦びも
吸い尽くす浮世の愛しい汚れよ
女に成ったあたしが
売るのは自分だけで
同情を欲した時に
全てを失うだろう
JR新宿駅の
東口を出たら
其処はあたしの庭
大遊戯場歌舞伎町
今夜からは此の町で
娘のあたしが女王
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