Lyrics 老優 -キャスティング- - Shinji Tanimura
若い俳優を軸に
熱気を帯びるセットの
陰で虚ろな視線を投げている
白髪混じりの老優
カチンコの響きだけは
今でも変わらないけど
まぎれないこと彼はあの頃だけ
輝いてた過去の人
銀幕の上に描き続けてた
彼の青春のかけらとともに
涙流して胸おどらせた
人達も見ている
彼の視線の向こうに見えてる
遥かなシルク・スクリーン
遥かなシルク・スクリーン
見学の学生に囲まれて
サインに疲れたポーズで
カメラの前に戻る若いスターに
淋しくほほえむ老優
はなやかすぎた時代は
やがてテレビに奪われ
無器用者と頑固な者だけが
ささやかな夢を見てる
撮りたい映画と稼げる映画の
狭間で泣いてる人を見乍ら
どんな役でも演じて見せる
彼はきっと知ってる
影には影の役割がある
それが人生のキャスティング
それが人生のキャスティング
パイプの椅子に体を預けて
少ない台詞の脇役に知る
影のない人はいない
年老いぬ人もいない
砂になるなら砂らしい砂に
それが人生のキャスティング
それが人生のキャスティング
1 浪漫鉄道 <蹉跌篇>
2 伽羅
3 ジョニーは戦場に行った
4 祇園祭
5 愛去りて
6 老優 -キャスティング-
7 デラシネの星座
8 トランジット・エイジ
9 タクシードライバー
10 2000年のサブリナ
11 浪漫鉄道 <途上篇>
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